★視覚障がいをお持ちの方に向けて「コーヒー」をテーマに講座を開催させていただきました。

この講座は視覚障がいをお持ちの方が訓練で利用される事業所様にて行われる講座で、対象は訓練を受けられている方々です。
コロナの影響が大きくある中で利用者様に何か出来ないかと声をかけていただきました。
「ただコーヒーについて伝えるだけでなく、そこに何か+αする事で参加者の方に向けてより良い講座が出来ないか。視覚に障がいをお持ちの方でも充実した時間を過ごすことが出来ないか…コーヒーの産地、ブラジルの映像が見えにくくてもどうにかしてブラジルの風を感じていただきたい!」
そんな思いで講座の開催に向けて準備を始めました。
コロナウイルスの影響により社会では様々な分断が起きています。人とのつながりを感じたり、新たに作る事が困難な社会へと変化しています。また、視覚に障がいがある事でより社会とのつながりに影響が出ているのではないかとも考えました。そんな中で今だからこそつながりを大切にしたい。そこに関わる人々の思いを感じることでよりつながりが強化されたり、感じることが出来るのではないか。そんな思いから今回、おおやけの里だけでなく、分野や法人の壁を越えて、そして海を越えてはるか遠い海外からもご協力をいただき講座を開催することにしました。
知的障がいをお持ちの方が利用されている就労支援事業者様(今回は3事業様にご協力いただきました)やコーヒーを栽培し、日本に届けられている生産地の方、取り組みを発信させていただく学校様、そして講座を企画、運営してくださった視覚障がいの事業所様…と本当に多くの方々と一緒に講座を開催しました。
講座開催まではなかなか会えない中でzoomを使用して各事業所間で打ち合わせを行ったり、ブラジルとオンラインで通話したりとしながら準備を進めていきました。
講座当日は感染予防の為にzoomを使用して2つの会場に分けて開催しました。本日の講座の説明をするとブラジルからの中継です!コーヒーがどのように育てられ日本にやってくるのか、どのような思いが込めらているのかをコーヒーを生産されているご本人から伝えていただきました。
こちらの農園は日本人の方が日本に本当に安全で美味しいコーヒーを届けたい!という思いでブラジルに渡り有機栽培で育てておられます。
私たちが何気なく飲んでいるコーヒーに込められた思いを知り、生産者の顔がわかり、遠く離れた方とオンラインではありますが直接話が出来たことで、いただくコーヒーは何倍にも美味しく感じました。ブラジルとの時差は12時間です。現地時間は深夜1時…当初は20分間の出演時間の予定でしたが、会場の熱気や参加者の方の思いが届き、終了時間の14時半まで参加者の方の質問に答えるなどしながら出演していただきました。
コーヒー豆が日本に来るまでを聞いた後は、バトンをブラジルから受け取り日本にコーヒー豆(生豆)が来てから一杯のコーヒーになるまでをお伝えしました。
今回使用させていただいたコーヒーは事業所様でハンドピックされて焙煎されます。ハンドピックとは、コーヒー豆の生豆・焙煎豆に混入している欠点豆や異物を人の手で取り除く作業の事で、一つ一つ欠点豆を取り除く作業はとても手間のかかる作業ですがハンドピックを行う事で雑味などが無くなり、胸やけなども無いコーヒーになります。
そのように焙煎されたコーヒーをいれるカップも事業所様で作成されたもので信楽の土を使用された陶芸作品です。一つ一つ手作業で作成されており、大きめのカップですが持ってみると軽く、飲み物をいれても重くならず飲みやすいです。手作りならではの色や形などはすべて異なっており世界に一つだけのオリジナルカップです。今回は使用したカップをお土産として参加者の方にそのもま持ち帰っていただきました。好みの色を選んでいただいたことで自宅でもお気に入りのカップになるのではないかと思います。
よりコーヒーを楽しむためにフードペアリングもしました。事業所様で手作りされているクッキーの材料にはフェアトレードの材料も使用されており、SDGsにも意識を向けたものです。季節を感じられるように楓の形をしたものなどもあります。今回はビスコッティとチーズクッキーを皆様にコーヒーと共に食べていただきました。美味しいコーヒーと合わせることでお互いの魅力がより引き出されていきます。
講座の時間はあっという間に過ぎていき、最後には参加者の方からお一人ずつ感想もいただきました。
「まさかブラジルにいる方とお話することが出来るなんて思っていませんでした。嬉しいです。」
「マグカップがかわいいです。持ち帰って大切に使います。」
「コーヒーとクッキーを一緒に食べることでコーヒーの美味しさが増しました!」
などなど、とてもうれしい感想をいただきました。
今回の講座を開催させていただきました事業所様はじめ、ご協力いただきました事業所様、ブラジルからもご協力いただきまして本当にありがとうございます。
当日会場にいた人のみでなく関わる全員がひとつの講座でつながり、様々な思いを感じることが出来ました。
今回の取り組みに関してラジオにて発信する予定です。
講座にはラジオを担当する学生の方たちも参加してくださいました。
今回の講座には今年8月に入職した視覚障害があるおおやけの里職員も参加し、ラジオにも出演予定です。
講座に関する事や働く中で感じている事、今後の目標…
きっとたくさんの熱い思いを語ってくれると思います。
今回の取り組みは今後にも続きます。今回のつながりから新たな企画、講座へ。そして新たなつながりへと発展していきたいと考えています。
記:山岡良美

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